新卒で医療事務はもったいない?
新卒で医療事務を志望している方の中には、インターネットや周囲から「新卒で医療事務はもったいない」という言葉を耳にして、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
では実際に、その背景にはどのような理由があるのかを整理してみましょう。
給与水準の現実
まず気になるのはお給料です。
2025年の最新データによると、医療事務の大卒初任給はおよそ20万円。一方で、大学卒の一般企業の平均初任給は22万5千円程度です。月に約2万5千円、年収では30万円以上の差が生じる計算になります。
さらに厚生労働省が示す基準額では、医療事務の未経験者は時給換算で1,037円。これは、全国平均の最低賃金(2024年度:1,055円)を下回るケースもあるのです。
「収入面ではやや控えめ」というのが現実と言えるでしょう。
キャリアパスの広がり
一方で「医療事務は昇進の道が狭い」というイメージもあります。
確かに以前はそうした傾向がありましたが、今は少しずつ変化しています。
大規模な病院では医療事務スタッフが増えており、事務長や副事務長といった管理職ポジションが必要とされています。
また、医師のサポートを行う「医師事務作業補助者」など、他職種に近い役割へ広がる道も出てきました。
つまり、専門性を深めたり管理職を目指したり、転職でキャリアを広げるといった選択肢があるのです。
大学で学んだことは活かせるのか?
「せっかく大学まで行ったのに、知識が活かせないのでは?」という声もよく聞かれます。
ですが、実際には次のような形で大学での学びを役立てることができます。
- データ分析力 → 診療データを整理し、病院経営の改善に活かす
- コミュニケーション力 → 患者さん対応や他職種との連携に生きる
- ITスキル → 電子カルテなどのシステムを効率的に扱う
- 経営視点 → 医療機関の運営や経営課題の理解に貢献
工夫次第で、大学で培ったスキルをしっかり活かせる職場なのです。
「新卒で医療事務はもったいない」という声をどう受け止めるか
「新卒で医療事務はもったいない」と言われる背景には、給与の差や従来のキャリアの限界といった事実があります。
けれども、医療事務は安定性・ワークライフバランス・社会貢献性という、他の職種にはない魅力も持っています。
例えば、医療事務は2024年調査で「残業が最も少ない職種」とされ、家庭やプライベートと両立しやすい環境があります。
また、患者さんに直接「ありがとう」と声をかけてもらえるやりがいは、数字では測れない価値です。
大切なのは「あなたの価値観」
結局のところ、医療事務が「もったいない」かどうかは人によって違います。
- 高収入やスピード出世を望む人 → 物足りなく感じるかもしれません
- 安定性や人の役に立つ実感を大切にしたい人 → 理想的な選択肢になり得ます
大切なのは、周りの声ではなく、あなた自身が何を大切にしたいかです。
前向きに進むためにできること
もし少しでも医療事務に興味を持っているなら、次の行動をおすすめします。
- 病院見学やインターンでリアルな職場を体感する
- 先輩の話を聞くことで実際のやりがいを知る
- 資格取得を進めて、キャリアの幅を広げる
こうした準備をすることで、不安を「自信」に変えることができます。
まとめ
医療事務は決して「もったいない」選択ではありません。
むしろ、自分の価値観に合った働き方を実現できるチャンスがあります。
結論として、「新卒で医療事務はもったいない」とは一概に言えません。
大切なのは、冷静に情報を集め、自分の価値観に合った選択をすることです。
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